社長メッセージ

ステークホルダーの皆様には、格別のご支援とご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。このたび、2021年4月1日付で代表取締役 社長執行役員 CEOに就任しました松崎 善則です。コロナ禍の影響が継続する社会状況下でこのような重責を担うことになり、身が引き締まる思いです。

2021年3月期は新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより、かつてない厳しい1年となりました。コロナ禍によって当社を取り巻く環境は大きく変わり、さまざまな課題が浮き彫りになっています。その課題一つひとつの解決に向けて、2023年3月期を最終年度とする中期経営計画において、着実な取り組みを進めているところです。この中期経営計画の期間内において、まずは当社の業績を回復させ、収益性が高く、持続的成長が目指せる企業体に切り替えていきます。

コロナ禍における今後の取り組み

コロナ禍で改めて感じた当社の強みもありました。それは店頭の販売員が持つホスピタリティの高さです。店舗でお客様をお迎えし、お客様のニーズに応じたご提案を行うことで、単に服をご購入いただくだけではなく、その服を選んでいる時の高揚感や、その服を着用した時に得られる情緒的な価値までも提供できるというのは、当社が持つ最大の強みだと感じています。ニューノーマルの時代を迎え、実店舗ありきの考え方から、実店舗もネット通販も同じ視座で考えていく必要性が高まっていますが、この強みをあらゆるチャネルで発揮していくことが、今後最も重要なことだと認識しています。

そのために必要になるのがDX(デジタルトランスフォーメーション)*1です。デジタル技術を活用して、いかに今のお客様の買い方に合わせて店舗環境を整備していくか、いかに実店舗で活躍する販売員の力をオンラインの世界に活用していくかなど、DXの取り組みを通じて当社の販売活動の精度を高められる領域はまだまだあります。デジタルというと無機質なイメージを持たれるかもしれませんが、当社の考えるデジタルは店舗でお客様にご提供しているようなヒューマンタッチなものです。2021年4月現在、当社は120万人強のハウスカード会員を有しており、日々の営業活動の中でそのデータを分析活用しています。今後はDXの取り組みを通じてより一層の有効活用を目指し、お客様の期待を上回るサービスを提供できる仕組みを構築していきます。

同時に、DXは社内の生産性を高めるツールでもあります。2021年3月期から進めている業務改革を通じて、社内の全ての業務を洗い出し、重複する業務や無駄な業務の精査を行いました。そこで見つかった課題についても、デジタル技術を活用して効率化を進め、生産性が高く、収益性の高い運営体制に切り替えます。

DXと同様に重要だと考えているのは、サステナビリティの取り組みです。ユナイテッドアローズ グループがファッションを通じていかに社会のお役に立ち、当社で服をお買い上げいただくことが社会に対してどのようにプラスに影響していくのか。ここを表現していくために、サプライチェーン、資源、コミュニティ、人材、ガバナンスをサステナビリティの重要テーマに掲げ、中長期的な視点でさまざまな取り組みを進めています。ステークホルダーの皆様からの関心も非常に高い分野ですので、当社の取り組みを継続的にお知らせしていきたいと考えています。

私は1997年にアルバイトとして当社に入り、販売員、店長、販売部門などを経て今に至っています。振り返ると、当社の原点は店舗であり、店長ビジネスであると感じます。情報の起点は常に店頭のお客様にあり、当社に対する満足も不満足も、全てお客様の声を通じていただくものです。過去の店長としてのマネジメント経験から、店頭の最前線で働く販売員がいかに高いパフォーマンスを発揮できるかが何よりも大切だと考えています。常に店舗が当社の原点であることを意識しつつ、これからはさらにOMO*2やDXのような新しい取り組みを合わせることで、一層高いお客様満足の提供に努めていきます。

お客様にとって欠かせない存在となるために

過去、東日本大震災のような未曽有の事態が起きた時も、店舗にお越しいただいたお客様からたくさんの元気をいただきました。服をご購入いただくことで気持ちが明るくなり、前向きになれる。そのようなお客様の姿を見た時に、改めて自分たちの商売が社会のお役に立っていることを感じました。今現在も、コロナ禍の中でわざわざご来店いただき、お買い上げいただくお客様から、同様の勇気をいただいています。

どんなに生活様式が変化したとしても、ホスピタリティを通じてファッションの楽しさをご提案していくことで、当社は社会から必要とされる存在であり続けることができると信じています。お客様のニーズが多様化する中、すでにアウトドア関連商品、ウェルネス商品など商品カテゴリーの拡充を進めていますが、将来的にはファッションの領域を超え、衣食住遊知のさまざまなドメインにおいて、当社のホスピタリティを活かして生活文化を向上させる多彩な事業を進めていきたいと考えています。

私たちが大切にしている経営理念「真心と美意識をこめてお客様の明日を創り、生活文化のスタンダードを創造し続ける。」に掲げている通り、「ユナイテッドアローズ」というブランドがお客様の上質なライフスタイルを実現するために欠かせない存在となり、お客様の明日を提案し続けられるよう、今後とも精進してまいります。

ステークホルダーの皆様には、ユナイテッドアローズ グループに引き続き変わらぬご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

*1 データとデジタル技術を活用して、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務、組織、企業文化を変革し、競争優位性を確立すること。

*2 Online Merges with Offlineの略。オンラインとオフラインの融合を指す。

2021年6月
代表取締役 社長執行役員 CEO